どの市販のエンディングノートも、終活に必要な情報を整理できるよう、書き込み式になっています。ノートによって内容は多少異なりますが、概ね次のような構成になっています。
〇 自分や家族、友人の基本的な情報
住所等連絡先、親族関係図
自分史や思い出に関すること
〇 財産に関する情報
資産の内容や金額
取引金融機関や保険、年金に関する情報
〇 健康に関する情報
かかりつけ医療機関や持病の情報
認知症等意思表示ができなくなった場合の意向など
延命治療や終末医療に関する意向など
〇 自分の死亡後に関する意向
葬儀やお墓のこと、祭祀承継者に関する希望
相続財産の分け方に関する意向(遺言の有無など)
大切な人へのメッセージ
遺言書には法律に定められた書き方があり、要件を満たさないと法律上の無効なものとなることがあります。反面それだけ強い拘束力をもっているともいえます。
一方、エンディングノートは、それ自体ただのノートです。通常それだけで遺言と同じような効果はありません。
「この預金は長男にあげたい。」と書いていても、それだけで長男のものにはなりません。
この違いを利用して、エンディングノートを遺言書の下書きとして活用することができます。
また、遺言書が完成していなくても、エンディングノートを見て、相続人たちが故人の考えを知ることができたり、財産に何があるかということがはっきりするだけでも、争いの材料が減り、話し合いをうまく進める大切な手がかりとすることもできるのです。