大切な人に想いを託す遺言書

遺言は、自筆で手軽に作ることもできますが、公正証書で作ればさらに様々なトラブルを予防できます。

当事務所は、遺言に限らず相続全般・終活全般の手続について幅広く対応しております。

遺言を書いた方がよいケース

相続人が高齢者

  遺言がなければ、遺産分割の手続で相続人全員の実印が必要です。

  しかし認知症等で実印が押せず手続が進まない、話合いができないということが起こります。

 本当に手当が必要な家族のために遺言を残しましょう。

 

財産が自宅だけ

  公平な分配が難しく、紛争になりがちです。自宅に配偶者が住み続ける場合や自宅を売却する場合など事案により解決方法も千差万別です。相続対策の必然性が最も高いパターンです。

子どもがいない

  配偶者とともに親や兄弟が相続人になるため、財産を残したい人の差が出てきやすいパターンです。

 実情を最もよく知る本人が遺言を残すことで、円満な相続を導けます。



このほかにも、多くのケースで「遺言があればよかった」という場合があります。

相続人以外の方へ財産を残したい場合、相続関係が複雑な場合、相続税対策が必要な場合など,事情によって解決方法も様々です。

どのような遺言を書けばよいのか、どのような相続準備をすればよいのか、一度きちんと専門家に相談することをお勧めします。


この遺言書のどこが問題か分かりますか?


次の遺言には、さまざまな問題が隠れています。

せっかく遺言を作っても、無効になってしまったり、かえって紛争を起こしては意味がありません。遺言の問題点をチェックして、きちんと想いが伝わるようにしたいものです。

ご自分で遺言を作る場合には、専門家のチェックは不可欠です。


遺言書の問題点(答え)

1 各条文ひとつひとつに不備はありません。

2 長男、次男が不動産だけを相続しているために、相続税がかかる場合に納税資金を準備できるかどうかは重要な問題です。ふつう、不動産を相続する場合には、合わせて預金等も取得できるようにして置くべきです。

  もしかしたら、本ケースでは遺言には記載していませんが、長男が生命保険の受取人に指名されているのかもしれません。それならば対策としては十分です。

3 次男にも、2と同様の問題があります。さらに、投資用マンションの場合、金額が大きいことで遺留分を侵害していないか、兄弟間の公平性は損なわれていないか等を確かめなければなりません。気になるのはローンの扱いです。ローンを誰が負担するのかが遺言では書かれていません。

  この場合、ローンだけ他の相続人にもかかってくる恐れがあります。ローンも次男が負担することを明記したり、借入先との事前の調整も考えておかなければなりません。

4 A銀行の預金はいくらあるのでしょうか?1500万円に満たない場合は遺言どおりに分けられません。1500万円をはるかに超える額の場合も、第4条の記載どおり残りは妻が受け取ることでよいのでしょうか。それぞれの場合ごとに、どう解決すべきかまで見通せる内容の遺言を書けておきたいところです。

  預金のように流動性の高い財産については、相続人間の調整に使いやすいものの、その分変動が大きいものですから、柔軟に対応できるようにしておきたいものです。

5 自宅を継ぐ長男と、おそらく自宅に住み続ける母とで介護の問題などがあるかもしれません。単に財産の分割だけでなく、自分が亡くなった後の家族の暮らし方まで見通した対策を盛り込むことも遺言では可能です。

6 スムーズな遺言の実現のため、これからは遺言執行者を指定することが主流となってくるでしょう。遺言執行者に相続人を指定するのは、費用の節約にもなります。ただ、紛争が生じた場合に備え、第三者を執行者に指定する方法も考えられます。費用はかさみますが、専門家に任せることで調整もしてもらえてスムーズに遺言が実現することのメリットは大きいです。

 

 このように本遺言は形式はきちんとしているものの、「ふたを開けてみたら」問題が起こる可能性がある遺言なのです。

 全体としてのバランスがとれているのか、自分が亡き後の家族の暮らしにまで目が向けられているか、状況が変化した場合に対応できるかといったところまで検討できる遺言を目指して欲しいと思います。

 そのために、是非専門家を積極的にご活用いただきたいと思います。